
牧禎舎のある埼玉県行田市でも桜満開のこの日!
水城(すいじょう)公園を歩いているととても気持ちよかったです。
この日は行田市の観光協会が民営化し、お土産売り場&観光案内所である「ぶらっと♪ぎょうだ」リニューアルオープンの日でしたが、行田来訪の目的は…

うなぎの満る岡さんの斜め前にある、三八染工場さんです!
以前、「見学たび」シリーズとして一度制作現場の見学をさせていただいたことがあります。
以前の「見学たび」の様子→
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この日は、三八染工場の瀬藤貴史さんと、将来染織や工芸に興味のあるという学生を引き合わせたくて伺いました。
身近に良い方がいるというのはとってもラッキーなことです。
瀬藤さんは作品制作としては友禅染を主にされていますが、伝統工芸用の道具の保存活動や、金継ぎや陶器のエイジング、大学の染色の非常勤講師、そして三八染工場のお仕事をされています。
この日は、現在製作中の作品で箔を貼る作業を見学させていただくことになっていましたが、材料のパネルが届かなかったということで…

なんと急遽、草木染め体験と講義を行っていただけることになりました!
贅沢すぎるひととき!!
行田の全学生に受講させてあげたい…いや大人だってとても嬉しい貴重な体験です。
お話の中では美大受験のポイントなども具体的に教えていただいて、とても参考になったと思います。
しかしまさか紙と鉛筆渡されるとは思っていなかったので、手に汗握りました…

草木染めでは丁子(ちょうじ)で絹のショールを染めることになりました。
初めて香りをかいだのですが、エキゾチックなスパイスの香りがします。
平安時代には高貴な方に会う際には口臭予防として口に含んでガムのように使っていたそうです。
とはいえ丁子は輸入品で、日本在来のものではないそう。
そんな昔のひとが貿易していた品、香り…脈々と現代にまでつづく時の流れを感じますね。
こういうエキゾチックな香りが平安時代ではモテたんですね〜^^

草木染めは大体が木の枝や根を煮て色素を煮出すところから始まります。
丁子が煮えてくるにつれ、良い香りが広がります。チャイみたいな香りです。
最近、クラフトコーラを試飲したのですが、クラフトコーラも材料はスパイスなのでそれとも香りが似てます。

よく色を煮出したところで、液を濾します。
2番汁まで取って、1番と合わせて使用しました。
本来は布がちゃんと浸る液量があると良いそうですが、今回は丁子の残っていた量に合わせた水量になっていました。

こんな熱い液に浸けるというのも草木染めならでは。
(藍染めも菌の醗酵が関係ない建て方をするときは、50℃くらいあっても問題ないみたいですが)
この日は私は時間を計っていませんでしたが、通常は20分くらい浸けるのかな?
よーく染みこんだら

ミョウバンを溶かした液に浸けて媒染します。
媒染することで色が定着します。
染める→媒染 を2回繰り返しました。
ミョウバンのない時代には籾殻を燃やした炭を使って媒染していたそうですよ!
籾殻の炭を使ったら良いなんて…どうやって気が付けるの?ほんと昔の人ってすごいですね…。
さて、染め終わったら水ですすいで、完成となります!

後日、撮影しました。
だし巻き卵のような、茶碗蒸しのような自然な優しい色に染まりました。
ちなみに平安時代のナンパの正装(?)は上は白で、下(袴になるのかな?)を丁子で黒く染めてたようなので、染める回数や媒染が違うみたいです。
瀬藤さんは以前から大変気さくな稀有な方でしたが、今回も本当にサービス精神が豊富で生徒さんの満足度高いだろうなぁ!!って、改めて思いました。
知識があるのと、教えるのが得意なのと、教えるのが好き、というのはなかなか同一人物の中にもたらされないものだと思うのです。
さらにそこに、アーティストでもあり、職人でもある、一見相反するかのようなことも内包していることは、とても夢のある話です。
瀬藤さんのような方に巡り会える行田、やっぱり良いですね!
金継ぎもぜひ…実は欠けた器をすでに取っておいてあるのでいずれワークショップお願いしたいですね。
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●今後の開館日
・4/4(日)…「ちいさな日曜日」開催
・4/4(日)…予約でいっぱいです
・4/11(日)…予約受付中
・4/18(日)…予約でいっぱいです
・4/25(日)…イベント出店のため休館
上記以降はお問い合わせください。→
makitei@tabigura.netCOVID-19感染拡大予防のため、一度に4〜5名までに限らせていただいております。
新たな体験方法に慣れてきたらもう少し増やせるかもしれません。
来館前に検温してきていいただき37.5°C以上の場合、あるいは風邪ぎみの場合はご来館をご遠慮いただいております。
来館時はマスク着用でお願いいたします。
また都合により急な臨時休館の可能性もありますことをご容赦くださいませ。
*とくに冬寒すぎると発酵が進まず染まらなくなることもあります。
できるかぎり保温の対処をしますが、確約できませんので、よろしくお願いします。
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